「社長の専門学校」M&Aセルサイトアドバイザー協会所属 

クリニック運営の基本|患者プライバシーと【セキュリティ】の確立 【SSL】を利用してクリニックのデータを保護しよう

クリニック運営の基本|患者プライバシーと【セキュリティ】の確立 【SSL】を利用してクリニックのデータを保護しよう

クリニック運営の基本|患者プライバシーと【セキュリティ】の確立 【SSL】を利用してクリニックのデータを保護しよう

医療DX化が進むとともに、医療データの重要性がますます高まり、患者のプライバシーとデータセキュリティが注目を浴びています。クリニックを運営する医療関係者の皆様にとって、患者情報の保護は最優先事項となっています。今回は、SSL(Secure Sockets Layer)の導入がクリニックのデータを保護し、患者との信頼関係を築く上でなぜ不可欠かについて解説します。

医療データは患者の個人情報や健康状態に関する極めて敏感な情報を含んでいます。これらのデータが漏洩したり改ざんされたりすることは、患者の信頼を損なうだけでなく、法的な問題や経済的損失にもつながります。SSLは、こうしたリスクに対抗するための強力なツールとして台頭しています。

サイバーセキュリティのイメージ画像
目次

SSLとは何か?

SSLはTransport Layer Security(TLS)の前身であり、ウェブブラウザとウェブサーバー間のデータ通信を暗号化するためのプロトコルです。これにより、第三者がデータを傍受することが防がれ、患者のプライバシーが確保されます。SSLを利用することで、通信が安全であることを示す「https://」のプロトコルが実現され、患者は安心してクリニックのオンラインサービスを利用できます。

プロトコル

プロトコルとは、コンピュータでデータをやりとりするために定められた手順や規約、信号の電気的規則、通信における送受信の手順などを定めた規格を意味します。

Googleでご自身のクリニックのホームページのURLを確認してみてください。URLの冒頭が、「https://」という表示があれば、SSL/TLS化されています。SSL/ TLS化されていないと、「保護されていない通信」と常時されます。

 

SSLを導入しないとどうなるの?

クリニックがSSLを導入しない場合、いくつかのセキュリティ上の問題が発生する可能性があります。

  1. 患者データの傍受リスク
    • SSLを使用しない場合、患者やクリニックとの通信が暗号化されずに平文で送信される可能性があります。これにより、不正アクセス者が通信を傍受して患者の個人情報や医療データを盗み見る危険が生じます。
  2. データの改ざんリスク
    • SSLを導入しないと、データが改ざんされるリスクが高まります。攻撃者は通信経路上でデータを改ざんし、患者の診療履歴や処方箋などを不正に変更する可能性があります。
  3. 信頼性の低下と患者の信頼喪失
    • ウェブブラウザが「https://」でない非暗号化の接続を表示する場合、患者はクリニックのウェブサイトがセキュアでないと認識する可能性があります。これが続くと、患者は個人情報を提供することを避け、クリニックへの信頼が低下するでしょう。
  4. 法的リスクの増加
    • 医療データが漏洩したり改ざんされたりすると、クリニックは法的な問題に直面する可能性があります。個人情報保護法や医療情報の取り扱いに関する法律に違反すると、重い罰則が科せられる可能性があります。
平文

平文とは暗号化されていないデータのこと。暗号化されたデータは暗号文と言います。

SSLの導入によるメリット

データの暗号化とプライバシー保護

SSLは通信中のデータを暗号化し、患者情報を保護します。患者がクリニックのウェブサイトにアクセスする際に送受信されるデータは、盗聴される心配がなくなります。これにより、患者は安心して機密情報を提供できるようになります。

信頼性の向上と法的リスクの軽減

SSLの導入はクリニックの信頼性を向上させます。患者はセキュアな通信を期待し、それが提供されることでクリニックへの信頼感が高まります。また、法的なリスクも軽減され、データ漏洩や改ざんに関する法的問題を未然に防ぎます。

セキュア

セキュア(Secure)とは「安全な」「安心な」「危険のない」という意味の英語です。IT分野においては、ウイルス対策やデータの暗号化機能などを導入し、セキュリティが確保された状態を表します。

もはや4,50代でも仕事上でインターネットを使ってきた世代です。そのような世代でも、SSL/TLS化されていないサイトは懸念します。患者さんに安心感を与えるという意味でもホームページのSSL/TLS化は重要です。

SSLの導入手順

SSL/TLS証明書の取得

SSLを導入するには、信頼性のある証明書発行元からSSL/TLS証明書を入手する必要があります。多くの場合、SSL証明書の提供者は手順を簡略化しており、オンラインで簡単に入手できます。インターネットでSSLやSSL証明書を検索してみてください。または、ご契約されているウェブサーバーで証明書が取得できるかもしれませんので、確認してみてください。

証明書のインストールとウェブサーバーの設定変更

取得したSSL/TLS証明書をサーバーにインストールし、ウェブサーバーの設定を変更してSSLを有効にします。これにより、クリニックのウェブサイトはセキュアな通信が可能となります。

HTTPSリダイレクトの設定

ウェブサイトの全てのトラフィックをHTTPからHTTPSにリダイレクトすることで、患者は常にセキュアな接続を使用するようになります。これは患者のプライバシー保護とセキュリティ確立に寄与します。

リダイレクト

リダイレクトとはサイトやページなどを新しいURLに変更した際、自動的に転送をする仕組み

まとめ

SSL/TLSの導入は、クリニックが安全な医療環境を提供し、患者の信頼を築くための一環として不可欠です。患者のデータを保護し、法的リスクを軽減するために、SSLの導入を積極的に検討してください。クリニックのデータ保護は、医療の質と患者へのサービス提供に直結しています。

ATSUSHI SABURI

株式会社アドメディカル代表。大学卒業後、大手予備校に就職。学生募集に携わる。特にデジタル領域に力を注ぎ、ホームーページのSEO・MEO対策、インターネット広告、コンテンツマーケティングを中心に売上拡大。少子化が進む教育業界で毎年120%売上を伸ばす。独立後は、予備校時代のノウハウと人脈を生かし、富裕層向けの広告プランニング、SEO・MEO・インターネット広告のインハウス(内製)化のサポートを中心に事業展開。

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