社員インタビューだけでは足りない?3年後・5年後・10年後が見える採用コンテンツの作り方
採用サイトに「先輩社員インタビュー」を掲載している企業は少なくありません。
現在の仕事内容、仕事のやりがい、職場の雰囲気、休日の過ごし方、入社理由などを紹介するコンテンツは、求職者が会社を理解するうえで有効です。
しかし、実際に採用支援やWebサイトの情報設計に携わっていると、社員インタビューだけでは十分に伝わらない情報があると感じます。
それは、
「この会社に入った自分が、3年後、5年後、10年後にどうなっているのか」
という未来です。
求職者が知りたいのは、インタビューを受けている社員の「現在」だけではありません。
その社員が、
- 入社当初はどんな仕事をしていたのか。
- 3年目には何を任されるようになったのか。
- 5年目でどんな専門性が身についたのか。
- 10年後にはどんな働き方を選べるのか。
こうした時間軸が見えることで、初めて求職者は「自分がこの会社に入った未来」を想像しやすくなります。
さらに今後は、仕事上のキャリアアップだけでなく、子育てや介護、勤務地、働く時間など、ライフステージに応じて働き方そのものを変えられるかという視点も重要になってくるでしょう。
本記事では、これからの採用サイトに必要な「キャリアが見えるコンテンツ」の作り方について解説します。
社員インタビューを掲載していても「入社後の未来」が見えない
社員インタビューは、多くの採用サイトで定番のコンテンツです。
例えば、
- 現在担当している仕事
- 入社した理由
- 仕事のやりがい
- 職場の雰囲気
- 休日の過ごし方
- 今後の目標
などが掲載されています。
もちろん、これらの情報に意味がないわけではありません。
実際に働いている社員の言葉を通じて、求人票だけでは分からない会社の雰囲気を伝えることができます。
一方で、求職者の立場から考えると一つ大きな問題があります。
「なぜこの社員が現在のポジションにいるのか」が分からない
という点です。
例えば、
入社8年目。現在は営業部の主任として法人営業を担当しています。
と書かれていても、
- 入社1年目は何をしていたのか
- 何年目から一人で顧客を担当したのか
- いつ主任になったのか
- どんな失敗を経験したのか
- どのようなスキルを身につけたのか
までは分からないケースがあります。
これでは求職者からすると、「現在活躍している人」は見えても、そこに至るまでの道筋が見えません。
求職者がまず知りたいのは「入社したら何をするのか」
将来のキャリアを見せることは重要ですが、その前にまず必要なのが、入社直後の具体的な仕事内容です。
マンパワーグループが行った調査では、転職者が「入社前にもっと詳しく聞いておけばよかった」と感じた項目として、「仕事内容」が上位に挙げられています。
採用ページでは、
「営業職」
「技術スタッフ」
「事務職」
と職種名だけを書いても、求職者が実際の仕事を想像するのは難しいものです。
重要なのは、もう一段具体的に説明することです。
例えば、
- 入社初日は何をするのか
- 最初の1カ月はどんな仕事をするのか
- 最初に担当する業務は何か
- 誰が仕事を教えるのか
- 何カ月程度で一人で業務を担当するのか
- 1日の仕事の流れはどうなっているのか
- どんな顧客や取引先と関わるのか
といった内容です。
求職者にとって「仕事内容」とは、単なる職種名ではありません。
「入社した翌日から自分に何が起こるのか」
が知りたいのです。
仕事内容の説明が曖昧だと入社後のギャップにつながる
採用時に仕事内容を十分に説明できていないと、入社後に、
「想像していた仕事と違った」
というギャップが生まれます。
マンパワーグループの調査でも、入社前後でギャップを感じた経験がある人は半数を超えており、仕事内容や働き方について具体的に確認しておけばよかったという声が紹介されています。
企業側からすれば、
「求人票には営業と書いてある」
「面接でも仕事内容を説明した」
という認識かもしれません。
しかし、
営業のうち何割が新規営業なのか。
既存顧客への対応はどれくらいあるのか。
電話営業はあるのか。
資料作成はどれくらいあるのか。
どこまで自分で判断する仕事なのか。
まで伝えなければ、企業と求職者のイメージが一致しないことがあります。
採用サイトでは、仕事内容を魅力的に見せるだけでなく、実態が想像できるレベルまで具体化することが重要です。
求職者が知りたいのは3年後・5年後・10年後の自分
仕事内容が分かった次に、求職者が考えるのが、
「この仕事を続けたら、自分はどうなっていくのか」
という将来です。
特に若い求職者にとって、会社選びは給与や勤務地だけでなく、自分のキャリアを選ぶ行為でもあります。
社員インタビューでは、次のような時間軸を見せると理解しやすくなります。
入社1年目
- どのような研修を受けたのか
- 最初に任された仕事
- 一人でできなかったこと
- どんなことで苦労したのか
- 誰にサポートしてもらったのか
入社3年目
- 一人で任されるようになった業務
- 身についたスキル
- 担当する仕事の範囲
- 後輩との関わり
- 入社時と比べて何が変わったのか
入社5年目
- 責任のある仕事を任されているか
- 専門性がどう高まったか
- チーム内での役割
- 後輩育成への関わり
- 役職や担当業務の変化
入社10年目
- 管理職になっているのか
- 専門職としてキャリアを伸ばしているのか
- 他部署へ異動しているのか
- 新しい仕事にチャレンジしているのか
- どのような働き方を選択しているのか
こうした情報があると、求職者は社員インタビューを単なる読み物として見るのではなく、
「自分の将来を考える材料」
として使えるようになります。
「現在の社員紹介」から「キャリアストーリー」へ
これからの社員インタビューでは、現在の仕事内容だけではなく、社員のキャリアそのものを時系列で見せることが重要です。
例えば製造業の技術職であれば、
入社1年目
先輩社員について設備や製造工程を学ぶ。
入社3年目
一人で設備を担当し、日常的なトラブルにも対応できるようになる。
入社5年目
改善活動や新設備の導入に関わり、後輩指導も担当する。
入社10年目
管理職としてチームをまとめる、あるいは専門技術職として技術力を高める。
という形です。
このように、
入社 → 成長 → 現在 → 未来
を一本のストーリーにすることで、求職者は「この会社では、こうやって成長できる」と理解できます。
1人の「成功した社員」だけでは十分ではない
社員インタビューでは、どうしても社内で活躍している人が選ばれやすくなります。
もちろん、ロールモデルを紹介することは大切です。
しかし、全員が同じキャリアを歩くわけではありません。
例えば、
- 管理職を目指す社員
- 専門職として技術を磨く社員
- 未経験から入社した社員
- 営業から別部署へ異動した社員
- 子育てと仕事を両立している社員
- 地方拠点で長く働く社員
など、複数のパターンを見せる方が求職者にとって有益です。
求職者も全員が、
「10年後には管理職になりたい」
と思っているわけではありません。
会社に複数のキャリアの選択肢があること自体が、採用上の魅力になる場合があります。
「キラキラした社員」だけを見せるとミスマッチにつながることもある
社員インタビューを作るとき、良い部分だけを掲載したくなるのは当然です。
しかし、
「仕事は毎日充実しています」
「職場の仲間にも恵まれています」
「どんどん成長できます」
という内容だけが並ぶと、かえって現実味が薄くなることがあります。
求職者が知りたいのは、
- 入社後どこで苦労したのか
- どんな失敗をしたのか
- 仕事が難しいと感じた時期はあったのか
- 転職を考えたことはあるのか
- どうやって壁を乗り越えたのか
といった情報でもあります。
もちろん企業のネガティブ情報を必要以上に掲載するという意味ではありません。
重要なのは、
「大変だったこと」と「それをどう乗り越えたか」
をセットで伝えることです。
その方が求職者は、入社後に起こり得る現実を具体的に想像できます。
キャリアアップだけではない。「働き方のキャリア」も見せる
これまで企業が示すキャリアは、
一般社員
↓
主任
↓
課長
↓
部長
といった役職の上昇が中心でした。
あるいは、担当業務が高度になっていく「業務上の成長」です。
もちろん、これらは今後も重要です。
一方で、現在の求職者が10年後を考えるときには、仕事だけではなく、生活そのものも変化します。
例えば、
- 結婚
- 出産・育児
- 親の介護
- 配偶者の転勤
- 住む地域の変更
- 自身の価値観の変化
などです。
そのため今後は、業務上のキャリアだけではなく、働き方をどう変えられるかもキャリア情報として考える必要があるでしょう。
「業務のキャリア」と「働き方のキャリア」の2軸で考える
採用サイトでは、キャリアを次の2つに分けて考えると分かりやすくなります。
| 業務のキャリア | 働き方のキャリア |
|---|---|
| 担当できる仕事が増える | 時短勤務を利用する |
| 専門性を高める | リモート勤務を取り入れる |
| 大きな案件を任される | 転勤を伴わない働き方を選ぶ |
| 後輩を指導する | 育児後にフルタイムへ戻る |
| 管理職になる | ライフステージに合わせて職種を変える |
| 専門職として成長する | 同じ地域で長く働く |
10年後の求職者が知りたいのは、
「課長になれるか」
だけではありません。
「生活環境が変わっても、この会社で働き続けられるか」
も重要な判断材料です。
制度があるだけではなく「実際に使った社員」を見せる
例えば採用ページに、
「育児休業制度あり」
「時短勤務制度あり」
「リモートワーク制度あり」
と掲載している企業は多くあります。
しかし求職者が本当に知りたいのは、
「その制度を実際に使っている人がいるのか」
ではないでしょうか。
さらに、
「制度を使った結果、キャリアはどうなったのか」
まで分かると情報価値はさらに高まります。
例えば、
5年目
第一子が誕生し、育児休業を取得。
6年目
時短勤務で復職。
7年目
通常勤務に戻り、後輩指導を担当。
10年目
専門職として大型案件を担当。
と紹介できれば、
「育児休業制度があります」
という一文より、はるかに具体的に未来をイメージできます。
求職者は生成AIに「自分の未来」を聞く時代へ
就職活動における生成AIの利用が広がっています。
求職者は今後、
「この会社に入ったら5年後はどんな仕事をしていますか?」
「若手は何年目くらいから一人で仕事を任されますか?」
「管理職にならなくてもキャリアアップできますか?」
「未経験から専門職になれますか?」
「子育てしながら働き続けられますか?」
「この会社にはどんなキャリアパスがありますか?」
といった質問をChatGPTやGeminiなどにする可能性があります。
しかし、企業の公式サイトにその答えとなる情報が掲載されていなければ、生成AIも十分な回答をすることは難しくなります。
つまり、AI検索対策を考える前に、
「求職者から聞かれそうな質問に、自社サイトが答えられる状態になっているか」
を確認する必要があります。
採用LLMOでは「未来を説明できる情報」が重要
LLMO対策というと、
- 構造化データ
- FAQ
- llms.txt
- サイト構造
- AIが理解しやすい文章
など、技術的な施策に注目しがちです。
もちろん、これらも重要です。
しかし採用分野では、技術的な対策以前に、
AIが回答するための情報そのものがWebサイトに存在しているか
が重要になります。
例えば、
「この会社では5年後にどんな仕事ができますか?」
という質問に答えるためには、5年目の社員のキャリア事例が必要です。
「育児しながらキャリアを継続できますか?」
という質問に答えるためには、制度の説明だけではなく、実際の利用例がある方が伝わりやすくなります。
採用LLMOでは、
会社が伝えたい情報をAIに読ませる
だけではなく、
求職者が質問する内容に企業側が答えられる情報を整える
という考え方が重要です。
就活生の生成AI利用と採用LLMO全体については、以下の記事でも詳しく解説しています。
就活生の約85%がAIを利用|採用担当者が知っておくべき採用LLMO対策
※公開済みの記事URLに合わせてリンク先を変更してください。
社員インタビューを見直すときのチェックポイント
現在の採用サイトに社員インタビューがある企業は、次の項目を確認してみてください。
- 現在の仕事内容だけで終わっていないか
- 入社1年目の仕事内容が分かるか
- 3年後・5年後・10年後の変化が見えるか
- どのようなスキルを身につけたか分かるか
- 仕事で苦労した経験が掲載されているか
- 管理職以外のキャリアも見えるか
- 異動や職種変更の事例があるか
- 子育てなどライフステージの変化が見えるか
- 制度を利用した社員の実例があるか
- 求職者が「自分だったら」と想像できる内容になっているか
社員インタビューを単なる企業PRではなく、求職者のキャリアシミュレーションに使えるコンテンツへ変えることがポイントです。
まとめ|求職者が見たいのは「先輩社員」ではなく「未来の自分」
社員インタビューを掲載する目的は、その社員について詳しく知ってもらうことだけではありません。
求職者は先輩社員の経験を通じて、
「この会社に入ったら、自分はどうなるのか」
を考えています。
そのため採用サイトでは、
入社直後に何をするのか
↓
3年後に何ができるのか
↓
5年後にどう成長するのか
↓
10年後にどんなキャリアや働き方を選べるのか
という時間軸を見せることが重要です。
さらに今後は、役職や専門性といった業務上のキャリアだけではなく、
人生の変化に合わせて、どのように働き方を変えられるのか
まで伝えることが求められるでしょう。
生成AIが企業研究に使われる時代には、このような情報は人間の求職者だけでなく、AIが企業を理解するための材料にもなります。
大切なのは、社員の「現在」を見せることだけではありません。
求職者が3年後、5年後、10年後の自分を想像できる採用情報をつくることです。
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採用分野においても、
- 自社の情報がAI上でどのように理解されているか
- 求職者が知りたい情報がWebサイトにそろっているか
- 求人媒体と公式サイトの情報にズレがないか
- FAQや社員インタビューがAIにも理解しやすい構成になっているか
- 企業の強みやキャリア情報が十分に発信されているか
といった視点から、Webサイトの情報設計を見直すことが重要です。
「社員インタビューは掲載しているものの、求職者に将来像まで伝えられているか分からない」
「採用サイトの情報をAI時代に合わせて見直したい」
「ChatGPTで自社がどのように説明されるのか気になる」
という企業様は、アドメディカルのLLMO対策サービスをご覧ください。
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※LLMO対策によって、特定の生成AIでの表示・引用・推薦を保証するものではありません。求職者と生成AIの双方が理解しやすい情報設計を行うことを目的とした施策です。
参考・出典
- マンパワーグループ株式会社「転職者が入社前にもっと詳しく聞いておけばよかったこと」
https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/20200519.html - 名大社 転職ナビ「入社前に聞いておくこと・確認しておきたいポイント」
https://tenshoku-tips.meidaisha.co.jp/articles/pre-employment-questions/ - キャリアマート「採用における入社後のミスマッチ対策」
https://www.careermart.co.jp/blog/7353 - LHH転職エージェント「転職・入社前に聞いておくこと」
https://www.lhh.com/ja-jp/insights/career-nyushamae-kiiteokukoto - Jobuddy「転職時に確認しておきたいこと」
https://jobuddy.jp/contents/detail/things_to_check_when_changing_jobs

株式会社アドメディカル代表。大学卒業後、大手予備校に就職。学生募集に携わる。特にデジタル領域に力を注ぎ、 ホームーページの SEO・MEO対策・LLMO対策、 インターネット広告、コンテンツマーケティングを中心に売上拡大。少子化が進む 教育業界で毎年120%売上を伸ばす。独立後は、予備校時代のノウハウと人脈を生かし、富裕層向けの広告プランニング、 SEO・MEO・LLMO・インターネット広告のインハウス(内製)化のサポートを中心に事業展開。一般社団法人AI・IoT普及推進協会マスターコンサルタント。










