採用サイトのLLMO対策|求職者がAIに聞く50〜60の質問をFAQ化する
就職活動における生成AIの利用が急速に広がっています。
株式会社マイナビが2026年5月に発表した「マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査4月<就活生のAI利用について>」によると、就職活動でAIを利用したことがある学生は84.9%に達しました。
さらに、47.6%の学生がAIに就職活動について相談した経験があると回答しています。
これまで企業の採用サイトは、
- 募集要項
- 仕事内容
- 福利厚生
- 社員インタビュー
- 会社紹介
- キャリアパス
などを掲載することが一般的でした。
もちろん、これらは今後も重要です。
しかし、ChatGPTやGeminiなどの生成AIを使って企業研究をする学生が増えてくると、企業側には新しい視点が必要になります。
それが、
「求職者がAIに何を質問するのか?」
という視点です。
そこで採用サイトのLLMO対策として検討したいのが、求職者がAIに聞きそうな50〜60程度の質問を洗い出し、FAQとして公式採用サイトに掲載する方法です。
今回は、採用サイトにFAQを設置する意味と、具体的にどのような質問を掲載すればよいのかを考えてみます。
就活生がAIを利用することは珍しくなくなっている
まず押さえておきたいのが、生成AIは一部の学生だけが使う特殊なツールではなくなりつつあることです。
前述したマイナビの2027年卒調査では、就職活動でAIを利用した経験がある学生は84.9%でした。
利用目的ではESの推敲が多い一方、AIに就職活動そのものを相談した経験がある学生も47.6%います。
また、AIの普及によって就職活動に「変化が生じた」と回答した学生は62.6%に達しています。
企業側でも変化が起きています。
マイナビの「2027年卒 企業新卒採用活動調査」では、学生の生成AI利用について「積極的に活用してほしい」「使い方を慎重に検討したうえで活用してほしい」と回答した企業を合わせると84.8%でした。
生成AIを使った就職活動を前提として、採用情報の発信方法を考える段階に入ってきたといえるでしょう。
就活生による生成AIの利用状況や、採用担当者が今後どのような情報発信を意識すべきかについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
▶ 就活生の約85%がAIを利用|採用担当者が知っておくべき生成AI時代の採用対策
求職者は企業サイトと同じ順番では質問しない
一般的な採用サイトは、企業側が情報を整理しやすい構成になっています。
たとえば、
「会社を知る」
「仕事を知る」
「社員を知る」
「福利厚生」
「募集要項」
といった構成です。
しかし、求職者がChatGPTなどに質問するときは、この順番にはなりません。
例えば、
「○○株式会社は未経験でも入れる?」
「○○株式会社はどんな人に向いている?」
「○○株式会社の営業はきつい?」
「○○株式会社は転勤がある?」
「○○株式会社ではどんなキャリアを歩める?」
「○○株式会社の離職率は?」
「子育てしながら働ける?」
といった、かなり具体的な質問をすることが考えられます。
つまり、
採用サイトのページ構成と、求職者がAIに質問する単位は必ずしも一致しません。
ここにFAQを設置する意味があります。
採用FAQを50〜60問作るという考え方
例えば、自社の採用サイトに「採用に関するよくある質問」というページを作成します。
そこに数問だけFAQを掲載するのではなく、求職者が実際に知りたいことを50〜60問程度まで細かく洗い出します。
重要なのは「60問掲載すればLLMOに強くなる」という単純な話ではありません。
目的は、
自社の採用に関する情報を「質問と回答」という単位で整理すること
です。
例えば、以下のようにカテゴリーを分ければ、50〜60問でも整理できます。
なぜFAQを1ページにまとめ、50〜60問程度掲載するのか
採用サイトのLLMO対策としてFAQを考える場合、各ページの末尾に数問ずつ「よくある質問」を追加するだけでなく、採用に関する質問をまとめた専用FAQページを用意するという考え方があります。
その理由は、求職者が知りたい情報が、採用サイト内のさまざまなページに分散していることが多いためです。
例えば、
- 未経験でも応募できるか
- 転勤はあるか
- 残業時間はどのくらいか
- 研修制度はあるか
- どのような人が活躍しているか
- 5年後にどのようなキャリアを描けるか
といった情報は、募集要項、福利厚生、社員インタビュー、職種紹介、会社概要など、別々のページに掲載されていることがあります。
そこで、求職者が知りたい情報を「質問と回答」という形で整理し、1つのFAQページにまとめます。
求職者の疑問を「質問単位」で整理できる
通常の採用サイトは、「仕事内容」「福利厚生」「社員紹介」といった企業側の分類で構成されています。
一方で求職者は、
「未経験でも応募できる?」
「転勤はある?」
「子育てしながら働ける?」
「どんな人が向いている?」
といった質問単位で情報を探します。
FAQページを設けることで、企業側のページ構成ではなく、求職者の疑問を起点として採用情報を整理できます。
これは、ChatGPTやGeminiなどに質問する場合の検索行動とも相性がよいと考えられます。
採用サイトに不足している情報を発見できる
実際に50〜60問程度の質問を洗い出してみると、
「この質問に答えられるページがない」
「制度自体はあるが、採用サイトには掲載していない」
「社員インタビューには書いてあるが、企業としての公式な説明がない」
といった不足情報が見つかることがあります。
つまりFAQ作成は、単にページを増やす施策ではありません。
現在の採用サイトに何の情報が足りていないのかを棚卸しする作業にもなります。
1ページで採用情報の全体像を確認できる
FAQをカテゴリー別に整理すると、
- 応募・選考
- 仕事内容
- 働き方
- 福利厚生
- 教育・研修
- キャリア
- 職場環境
- 給与・制度
といった採用情報を1ページで俯瞰できるようになります。
求職者にとっても、「知りたい情報がどこに書いてあるのかわからない」という状態を減らせます。
そのためFAQページは、単なる質問集ではなく、採用サイト全体の案内所・ハブページとして活用することもできます。
詳細ページへの内部リンクの起点にもなる
FAQですべてを長文で説明する必要はありません。
例えば、
「入社後の研修制度について教えてください」
という質問には概要を回答し、詳しい内容は研修制度のページへ案内します。
同じように、
「社員の雰囲気を知りたい」
という質問なら社員インタビューへ、
「入社後のキャリアを知りたい」
という質問ならキャリア紹介ページへつなげることができます。
FAQページを起点に関連ページをつなぐことで、採用コンテンツ同士の関係性も整理しやすくなります。
なぜ50〜60問程度なのか
ここで重要なのは、「60問掲載すればLLMOに強くなる」という意味ではないことです。
50〜60問という数字は、求職者が知りたいことを幅広く整理するための目安です。
例えば、
応募・選考 10問
仕事内容 10問
働き方 10問
教育・キャリア 10問
会社・職場環境 10問
給与・福利厚生 10問
と分類すると、それだけで60問になります。
採用に関する疑問を網羅的に洗い出していくと、結果として50〜60問程度になることは十分考えられます。
企業によっては30問で十分な場合もありますし、複数の職種を募集している企業では60問以上必要になることもあります。
大切なのは質問数そのものではなく、求職者が実際に知りたい情報を漏れなく整理することです。
AIに企業の採用情報を伝える「公式回答集」になる
FAQページを作る大きな意図の一つが、企業自身が採用に関する公式回答をまとめて持つことです。
例えば求職者が生成AIに、
「○○株式会社は未経験でも働けますか?」
「○○株式会社はどんな人に向いていますか?」
「○○株式会社ではどんなキャリアを描けますか?」
と質問したとします。
そのとき、公式採用サイトに同じテーマについて明確な回答が掲載されていれば、AIがその企業について理解するための材料の一つになります。
つまり採用FAQは、
求職者がAIに聞きそうな質問に対して、企業側があらかじめ公式回答を用意しておくページ
と考えることができます。
これが、採用サイトのLLMO対策としてFAQを1ページにまとめ、幅広い質問を掲載する大きな狙いです。
1.応募・選考に関するFAQ
例えば次のような質問です。
- 未経験でも応募できますか?
- 新卒採用を行っていますか?
- 中途採用を行っていますか?
- 第二新卒でも応募できますか?
- 学歴による応募条件はありますか?
- 必要な資格はありますか?
- 選考ではどのような点を重視しますか?
- 面接は何回ありますか?
- オンライン面接には対応していますか?
- 応募から内定までどのくらいかかりますか?
これだけでも10問になります。
2.仕事内容に関するFAQ
求人票だけでは仕事内容を具体的にイメージできない求職者も少なくありません。
そこで、
- 入社後はどのような仕事を担当しますか?
- 営業職の1日の仕事の流れを教えてください。
- 入社直後から顧客を担当しますか?
- 個人ノルマはありますか?
- チームで仕事をすることは多いですか?
- 若手社員でも大きな仕事を担当できますか?
- 出張はありますか?
- 顧客とのやり取りは多いですか?
- パソコンスキルはどの程度必要ですか?
- 入社前に勉強しておいた方がよいことはありますか?
といった質問を掲載します。
3.働き方に関するFAQ
求職者にとって非常に重要なのが働き方です。
例えば、
- 平均的な残業時間はどのくらいですか?
- 年間休日は何日ですか?
- 有給休暇は取得しやすいですか?
- リモートワークはできますか?
- フレックスタイム制度はありますか?
- 転勤はありますか?
- 勤務地を希望できますか?
- 休日出勤はありますか?
- 時短勤務はできますか?
- 子育てをしながら働いている社員はいますか?
などです。
4.教育・キャリアに関するFAQ
弊社では以前、採用サイトのLLMO対策では社員インタビューだけでなく、「入社3年後・5年後・10年後」をイメージできる情報も重要ではないかという考え方をご紹介しました。
社員インタビューだけでは伝えきれないキャリア情報の作り方については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶ 社員インタビューだけでは足りない?3年後・5年後のキャリアまで伝える採用サイトのLLMO対策
FAQでも、この考え方を取り入れられます。
- 入社後の研修制度について教えてください。
- 未経験者向けの研修はありますか?
- 資格取得支援制度はありますか?
- 入社3年後にはどのような仕事を担当しますか?
- 入社5年後にはどのようなキャリアがありますか?
- 管理職を目指すことはできますか?
- 専門職としてキャリアアップできますか?
- 社内異動はできますか?
- 若手社員が昇進する機会はありますか?
- 評価制度について教えてください。
こうした情報は、入社後の自分を想像するための材料になります。
5.会社・職場環境に関するFAQ
さらに一歩踏み込むなら、企業そのものに関する質問も用意します。
- どのような社風ですか?
- どのような人が活躍していますか?
- どのような人に向いている会社ですか?
- 社員の年齢層を教えてください。
- 若手社員は多いですか?
- 女性社員はどのくらいいますか?
- 社員同士の交流はありますか?
- 上司に相談しやすい環境ですか?
- 職場見学はできますか?
- 入社前に会社の雰囲気を知る方法はありますか?
採用サイトでは伝えづらかった情報も、FAQ形式なら比較的自然に掲載できます。
6.給与・福利厚生に関するFAQ
求職者が非常に気になる分野です。
- 給与はどのように決まりますか?
- 昇給はありますか?
- 賞与はありますか?
- 住宅手当はありますか?
- 通勤手当はありますか?
- 資格手当はありますか?
- 退職金制度はありますか?
- 産休・育休制度はありますか?
- 社員向けの福利厚生には何がありますか?
- 社員教育に対する補助制度はありますか?
ここまで6カテゴリー×10問で、60問になります。
60問すべてを無理に作る必要はない
ここで注意したいのが、数を増やすこと自体を目的にしないことです。
50〜60問という数字は、あくまで採用情報を十分に整理した結果としての一つの目安です。
30問で必要な情報を網羅できる企業もあれば、職種が多い企業なら100問近くになることも考えられます。
避けたいのは、LLMO対策のためだけに、
「会社はどこにありますか?」
「会社名は何ですか?」
といった、ほとんど意味のないFAQを大量に作ることです。
求職者が本当に知りたい質問に答えることが最優先です。
職種別FAQまで作るとさらに具体的になる
採用FAQをさらに発展させるなら、企業共通FAQだけではなく、職種別の質問も用意できます。
例えば建設会社なら、
「施工管理未経験でも応募できますか?」
「施工管理技士の資格は必要ですか?」
「現場への直行直帰はできますか?」
製造業なら、
「製造業未経験でも応募できますか?」
「交替勤務はありますか?」
「工場勤務ではどのような服装になりますか?」
物流会社なら、
「大型免許がなくても応募できますか?」
「免許取得支援制度はありますか?」
「長距離運転はありますか?」
といった具合です。
一般的なFAQよりも、自社・自職種特有の質問に答えることの方が重要です。
これが他社の採用サイトとの差別化にもつながります。
FAQから詳細ページへ内部リンクを設置する
FAQだけですべてを説明する必要もありません。
例えば、
Q.入社後のキャリアについて教えてください。
という質問に対して概要を回答し、
「詳しいキャリアモデルはこちら」
としてキャリアページへ内部リンクを設置します。
同じように、
仕事内容 → 職種紹介ページ
社員の雰囲気 → 社員インタビュー
福利厚生 → 福利厚生ページ
募集条件 → 募集要項
会社の考え方 → 代表メッセージ
へつなげます。
こうするとFAQページが、採用サイト全体の情報をつなぐハブページになります。
これはLLMOだけではなく、通常のユーザー導線を考えても有効です。
FAQページだけ作ればLLMO対策が完成するわけではない
ここも重要です。
FAQページを作ったからといって、必ずChatGPTやGeminiが自社を紹介してくれるわけではありません。
LLMO対策では、
- 公式サイトに十分な情報が存在する
- 会社名・所在地・事業内容などの情報が一貫している
- 各ページの内容が明確である
- 採用ページ同士が適切に内部リンクされている
- 必要に応じて構造化データを実装する
- 外部サイトにも企業情報が存在する
- AIが確認できる一次情報を増やす
など、複数の施策を組み合わせて考える必要があります。
FAQはその中でも、求職者の疑問と企業側の公式回答を結びつけられる施策として活用できます。
「AIに何と答えてほしいか」から逆算してFAQを作る
採用FAQを作る際に、弊社が特に重要だと考えているのが、
「求職者が何を質問するか」だけでなく、「その質問に対してAIに自社をどう説明してほしいか」を考えることです。
例えば、
「未経験から営業職に転職できる会社を教えて」
という質問で自社が候補になってほしいのであれば、
公式採用サイト上に、
- 未経験者を採用していること
- 研修制度があること
- 入社後の教育内容
- 未経験入社した社員の事例
- その後のキャリア
などの情報が存在していることが重要になります。
「子育てしながら働きやすい会社を教えて」
であれば、
- 育児休業制度
- 時短勤務制度
- 実際の取得実績
- 子育て中の社員
- 復職後の働き方
といった情報が必要です。
つまり採用FAQは単なる「よくある質問」ではなく、
自社が採用市場でどのような会社として認識されたいのかを整理する作業
にもなります。
採用LLMOでは「質問」を設計する時代へ
これまでの採用サイト制作では、
「どんなページを作るか」
という発想が中心でした。
これからは、それに加えて、
「求職者からどんな質問をされる会社なのか」
を考える必要があるのではないでしょうか。
求職者がChatGPTやGeminiなどを利用する機会が増えるほど、企業側にも「AIから質問されたときに答えとなる情報」が求められます。
その一つの方法が、求職者が聞きそうな50〜60の質問を洗い出し、公式採用サイト上にFAQとして整理することです。
重要なのは、FAQの数ではありません。
求職者が知りたい情報を洗い出し、企業自身が公式な回答を用意しておくこと。
そして、
求人情報
↓
仕事内容
↓
社員インタビュー
↓
キャリア情報
↓
FAQ
と採用情報をつなぎ、企業について理解できる情報環境を整えることです。
採用サイトのLLMO対策は、単に構造化データを追加するだけではありません。
求職者とAIの双方が理解できるように、自社の採用情報そのものを設計し直すこと。
これからの採用サイトでは、この視点がますます重要になると弊社では考えています。
株式会社アドメディカルの採用LLMO対策
株式会社アドメディカルでは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIで企業がどのように認識・紹介されているかを確認しながら、採用サイトのLLMO対策を支援しています。
採用FAQの設計だけでなく、
- 採用サイトのAI検索状況の確認
- AIに不足している情報の洗い出し
- FAQの設計
- 採用コンテンツの改善
- 社員インタビュー・キャリア情報の設計
- 内部リンクの改善
- 構造化データの設計・実装
など、採用サイト全体を見ながら改善策をご提案します。
「自社はChatGPTでどのように紹介されているのか?」
「採用サイトにどんなFAQを追加すればよいのか?」
「生成AI時代に合わせて採用サイトを改善したい」
といった企業様は、お気軽にご相談ください。

株式会社アドメディカル代表。大学卒業後、大手予備校に就職。学生募集に携わる。特にデジタル領域に力を注ぎ、 ホームーページの SEO・MEO対策・LLMO対策、インターネット広告、コンテンツマーケティングを中心に売上拡大。少子化が進む 教育業界で毎年120%売上を伸ばす。独立後は、予備校時代のノウハウと人脈を生かし、富裕層向けの広告プランニング、 SEO・MEO・LLMO・インターネット広告のインハウス(内製)化のサポートを中心に事業展開。一般社団法人AI・IoT普及推進協会マスターコンサルタント。
出典
- 株式会社マイナビ「マイナビ 2027年卒 大学生キャリア意向調査4月<就活生のAI利用について>」(2026年5月26日)
- マイナビ キャリアリサーチLab「2027年卒 大学生キャリア意向調査4月<就活生のAI利用について>」
- 株式会社マイナビ「マイナビ 2027年卒 企業新卒採用活動調査」(2026年7月)










