就活生の約85%がAIを利用|採用担当者が知っておくべき採用サイトのLLMO対策
「自社の採用情報がChatGPTでどのように説明されているか」を確認したことはあるでしょうか。
これまで就職活動における企業研究といえば、Google検索、企業の採用サイト、就職情報サイト、転職サイト、口コミサイトなどを使うのが一般的でした。
しかし現在、この情報収集の入口にChatGPTやGeminiなどの生成AIが入り始めています。
マイナビが2026年5月に公表した「2027年卒 大学生キャリア意向調査4月」によると、就職活動でAIを利用したことがある学生は84.9%に達しています。AIの利用方法では「ESの推敲」が71.8%で最多ですが、面接対策も38.4%まで増加しています。さらに47.6%の学生が、AIに就職活動について相談した経験があると回答しています。
AIは、単にエントリーシートを書くための道具ではなくなりつつあります。
「この会社はどんな会社なのか」
「競合企業と比べて何が強いのか」
「自分に向いている会社なのか」
「この会社に入ったら、5年後はどんな仕事をしているのか」
こうした企業研究やキャリア選択そのものにも、生成AIが使われ始めています。
採用担当者にとって重要なのは、「学生がAIを使っている」という事実だけではありません。AIが自社について何を説明できる状態になっているかです。
就活生の約85%が就職活動でAIを利用
生成AIの利用は、すでに一部の学生だけの行動ではありません。
マイナビの2027年卒学生を対象とした調査では、就職活動でAIを利用したことがある学生は84.9%でした。調査開始以降、利用率は増加を続けています。
さらに興味深いのが、AIを利用する理由です。
「作業時間を短縮したい」が54.3%で最多である一方、「自分だけの考えで決めるのは不安だから」という回答も28.8%ありました。
つまり、生成AIは単なる効率化ツールではなく、就職先を考える際の相談相手としても使われ始めています。
企業側も、この変化を否定的に捉えているわけではありません。
マイナビの「2027年卒 企業新卒採用活動調査」では、学生の生成AI利用について「積極的に活用してほしい」が8.2%、「使い方を慎重に検討したうえで活用してほしい」が76.6%で、合わせて84.8%の企業が肯定的な姿勢を示しています。
学生が生成AIを活用することを前提として、採用活動を考える段階に入っているといえるでしょう。
AIはES作成だけでなく「企業研究」にも使われている
「就活生がAIを使う」と聞くと、エントリーシートの文章作成や面接練習を思い浮かべる採用担当者も多いでしょう。
しかし、実際の利用範囲はそれだけではありません。
ナイル株式会社が就職活動を経験している学生419人を対象に2026年3月に行った調査では、生成AIの活用場面として、
- 選考対策:48.0%
- 企業研究:37.9%
- 業界研究:33.2%
という結果が出ています。
さらに、生成AIを使って企業について調べる内容では、
- 事業内容:36.7%
- 強み・特徴:33.5%
- 競合他社との違い:29.8%
などが上位となっています。社風や働く雰囲気について調べる学生も約3割いました。
つまり学生は、
「○○株式会社について教えて」
だけではなく、
「○○株式会社の強みは?」
「△△株式会社との違いは?」
「どんな人に向いている会社?」
といった質問をAIに投げかける可能性があります。
企業研究の入口が、「検索結果からWebサイトを選ぶ」だけではなく、AIに企業について説明してもらうという形へ広がっているのです。
AIが企業の「第一印象」を作る可能性がある
企業側から考えると、ここには大きな変化があります。
これまでの企業研究では、
Google検索
↓
公式サイト・採用サイト
↓
求人サイト・口コミサイト
↓
応募
という流れが中心でした。
ところが今後は、
ChatGPT・Geminiなどに質問
↓
AIが企業について要約・比較
↓
興味を持った企業の公式サイトを見る
↓
応募を検討
という流れが増えていく可能性があります。
ナイルの調査では、生成AIが企業を知るきっかけになったことがある学生は7割を超えています。また、生成AIで企業を調べた後、「必ず公式サイトや採用ページで確認する」が32.3%、「だいたい確認する」が56.1%で、合わせると約9割に達しました。
これは採用担当者にとって非常に重要なデータです。
生成AIだけで応募が決まるわけではありません。
むしろ、
AIで知る
↓
公式採用サイトで確認する
↓
応募する
という新しい採用導線が生まれつつあると考えた方がよいでしょう。
求人サイトに情報を掲載しているだけでは十分ではない
多くの企業はすでに、就職サイトや転職サイトに求人情報を掲載しています。
給与、勤務地、休日、福利厚生、仕事内容などを掲載しているため、
「必要な採用情報は載せている」
と考えている企業も少なくありません。
もちろん求人媒体は重要です。
しかし、実際に採用支援に携わっていると、もう一つ大きな問題が見えてきます。
それが、
「企業側が伝えたい情報」と「求職者が知りたい情報」が必ずしも一致していない
という問題です。
企業が伝えたいことと求職者が知りたいことは違う
企業の採用ページでは、よく次のような情報が掲載されています。
「創業○年の安定企業です」
「充実した研修制度があります」
「若手社員が活躍しています」
「アットホームな職場です」
「キャリアアップできる環境です」
もちろん、これらも必要な情報です。
しかし、求職者が本当に知りたいのは、もう一段具体的な内容ではないでしょうか。
| 企業が伝えがちな情報 | 求職者が知りたい情報 |
|---|---|
| 創業○年の安定企業 | この会社は今後も安定しているのか |
| 充実した研修制度 | 入社後、誰が・何カ月・どのように教えてくれるのか |
| 若手が活躍 | 入社3年目でどこまで仕事を任されるのか |
| アットホームな職場 | 上司や同僚との関係は実際どうなのか |
| ワークライフバランスを重視 | 実際の残業時間や休日出勤はどうなのか |
| キャリアアップできる | 5年後・10年後にどんな仕事や役職を目指せるのか |
| 福利厚生が充実 | 実際に社員がよく利用している制度は何なのか |
採用情報は、「会社が何を伝えたいか」だけで作るのではなく、求職者が何を知りたいのかから逆算して設計する必要があります。
採用できても辞めてしまう。「採用ミスマッチ」という問題
弊社が支援した企業でも、実際にこうした問題がありました。
経営側が採用ページに掲載したい情報と、求職者が本当に確認したい情報にズレがあり、求人サイトや転職サイトには情報を掲載しているものの、会社で働く姿を応募者が十分にイメージできていませんでした。
その結果、採用そのものにはつながっても、
「思っていた仕事と違った」
「入社前に想像していた会社と違った」
というギャップが生じ、離職につながってしまうケースがありました。
採用活動では「何人応募が来たか」「何人採用できたか」に目が向きがちです。
しかし、採用できても短期間で辞めてしまえば、採用コストだけでなく、教育に費やした時間や既存社員の負担も無視できません。
だからこそ採用情報には、会社を魅力的に見せることだけでなく、
「どんな会社なのか」
「どんな仕事なのか」
「どんな人に向いているのか」
を応募前にできるだけ正確に理解してもらう役割があります。
採用LLMOも、単にAI上で会社名を表示させるためだけの施策として考えるべきではないでしょう。
求職者が知りたいのは「今」だけではない
もう一つ、採用サイトを制作・分析していて感じる問題があります。
多くの企業が掲載している「先輩社員インタビュー」です。
社員インタビューそのものは非常に有効なコンテンツです。
しかし、
「現在○○部で働いています」
「仕事にやりがいを感じています」
「職場は相談しやすい雰囲気です」
といった現在の状況だけで終わっているケースも少なくありません。
求職者が知りたいのは、先輩社員の「今」だけではありません。
もっと重要なのは、
「この会社に入った自分の3年後、5年後、10年後を想像できるか」
ではないでしょうか。
「3年後・5年後・10年後の自分」が見える採用サイトへ
例えば入社5年目の社員を紹介するのであれば、「現在の仕事」だけではなく、その人が入社してから現在まで、どのようなキャリアを歩んできたのかを紹介すると、求職者にとって情報価値は大きく変わります。
入社1年目
- どんな研修を受けたのか
- 最初に担当した仕事は何だったのか
- どんなことで苦労したのか
- 誰に仕事を教えてもらったのか
入社3年目
- 一人で任されるようになった仕事
- 身についたスキル
- 後輩との関わり
- 仕事に対する考え方の変化
入社5年目
- 担当業務や責任範囲
- チーム内での役割
- 役職や専門性
- さらに学んでいること
入社10年目
- 管理職を目指すのか
- 専門職としてキャリアを伸ばせるのか
- 別部署への異動はあるのか
- どのような働き方を選択できるのか
こうした時系列があれば、求職者は先輩社員の紹介を読みながら、
「自分もこの会社に入ったら、こんな10年間を歩めるかもしれない」
と考えられます。
単なる「社員紹介」ではなく、キャリアストーリーを見せる採用コンテンツにするわけです。
1人の成功例だけではなく、複数のキャリアを見せる
さらに望ましいのは、1人だけのモデルケースにしないことです。
例えば製造業であれば、
- 技術職として専門性を高めた社員
- 管理職になった社員
- 未経験入社から成長した社員
- 営業から別部署へ異動した社員
- 育児と仕事を両立している社員
など、複数のキャリアを紹介できます。
「入社10年後は全員管理職」
という会社ばかりではありません。
求職者も全員が管理職を目指しているわけではありません。
複数のキャリアパターンが見えることで、自分に近い将来像を探せるようになります。
生成AIは「求職者の質問」に答えようとする
ここで生成AIの話に戻ります。
求職者がAIを使って企業研究をするのであれば、質問は企業側が想定しているものだけとは限りません。
例えば、
「○○株式会社に入ったら5年後どんな仕事をしていますか?」
「○○株式会社では未経験から成長できますか?」
「○○株式会社にはどんなキャリアパスがありますか?」
「管理職にならず、技術者として働き続けることはできますか?」
「子育てしながら働いている社員はいますか?」
「○○株式会社はどんな人に向いていますか?」
と聞かれるかもしれません。
しかし、その答えとなる情報が企業サイトに存在していなければ、AIも十分な回答を作ることはできません。
だからこそ、採用におけるLLMOでは、構造化データや技術的な対策だけでなく、**「そもそも求職者が知りたい情報がWebサイトに存在しているか」**を確認することが重要なのです。
採用LLMO対策とは?
LLMO(Large Language Model Optimization)とは、ChatGPTやGeminiなどの生成AIが、企業サイトの内容を理解しやすい状態に整えるための取り組みです。
従来のSEOではGoogleなどの検索結果で見つけてもらうことが主な目的でした。
一方、採用LLMOでは、
「AIが求職者から質問されたとき、自社について正しく理解し、説明できる状態をつくる」
ことが一つの重要な目的になります。
ただし、採用LLMOを「AIに会社をおすすめさせる技術」とだけ考えるのは適切ではありません。
弊社では、採用におけるLLMOを、
求職者が知りたい情報を整理し、生成AIにも人にも理解しやすい状態にするための採用情報設計
として考えることが重要だと考えています。
採用LLMOで見直したい9つの情報
では、企業はどのような情報を見直せばよいのでしょうか。
1.仕事内容
「営業」「技術職」「事務」だけではなく、具体的に何をするのかを説明します。
2.1日の仕事の流れ
入社後の働く姿が想像しやすくなります。
3.入社後の教育
「研修制度あり」だけではなく、期間、内容、指導担当者などを具体的にします。
4.向いている人・向いていない人
応募数を増やすだけでなく、ミスマッチを防ぐためにも重要です。
5.働き方
残業、休日、転勤、勤務地、リモート勤務など、求職者が判断に使う情報を明確にします。
6.3年後・5年後・10年後のキャリア
社員の実例を使い、時系列でキャリアを見せます。
7.複数のキャリアパターン
管理職だけでなく、専門職、異動、子育てとの両立など、複数の未来を示します。
8.求職者向けFAQ
「転勤はありますか?」
「未経験でも応募できますか?」
「入社前に必要な資格はありますか?」
など、実際に求職者から聞かれる質問をコンテンツ化します。
9.求人媒体と公式サイトの情報を一致させる
採用サイト、コーポレートサイト、求人媒体などで、募集条件や会社情報が食い違っていないか確認します。
「会社名を知らない学生」に見つけてもらうことも重要
採用LLMOには、もう一つ重要な視点があります。
すでに会社を知っている学生が、
「○○株式会社について教えて」
と質問するケースだけではありません。
例えば、
「岐阜県で技術力のあるメーカーは?」
「名古屋で転勤が少ない会社は?」
「地元で長く働ける企業を教えて」
「未経験から技術職を目指せる会社は?」
「福利厚生が充実している中小企業は?」
といった質問から企業を探す可能性があります。
この場合、求職者は最初から企業名を知っているわけではありません。
従来の採用では「自社名を検索してもらう」ことが重要でした。
生成AI時代にはそれに加えて、会社名を知らない求職者の質問に対して、自社が候補になり得る状態を整えるという視点も必要になってきます。
特に知名度では大企業に勝ちにくい地方企業、中小企業、BtoB企業、製造業などにとっては重要な考え方でしょう。
AIに出れば終わりではない。公式採用サイトがさらに重要になる
LLMO対策という言葉だけを見ると、
「これからはAIで完結するから、自社の採用サイトはそれほど重要ではなくなるのでは?」
と思うかもしれません。
実際は逆です。
前述したナイルの調査では、生成AIで企業を調べた後、約9割の学生が公式サイトや採用ページで情報を確認しています。
つまり、理想的な採用導線は、
生成AIで会社を知る
↓
AIで会社の特徴を理解する
↓
公式サイト・採用ページで確認する
↓
自分に合う会社か判断する
↓
納得したうえで応募する
という流れです。
企業サイトに十分な情報がなければ、せっかくAIで興味を持ってもらっても、その後の確認段階で離脱する可能性があります。
採用LLMOと採用サイト改善は、別々に考えるものではありません。
採用LLMOの目的は「応募数を増やす」だけではない
採用活動では、どうしても応募数がKPIになりがちです。
しかし、100人応募して10人採用しても、その多くが短期間で離職してしまえば、本当に採用活動が成功したとは言い切れません。
重要なのは、
自社を理解してもらう
↓
自分に合っているか判断してもらう
↓
納得して応募してもらう
↓
入社後のギャップを減らす
という流れです。
AI時代の採用情報には、「会社を良く見せる」こと以上に、会社を正しく理解してもらうことが求められるようになるのではないでしょうか。
採用LLMOは、そのための手段の一つです。
まずはChatGPTに自社について質問してみる
特別なツールを使わなくても、最初の確認はできます。
例えばChatGPTやGeminiに、
「○○株式会社について教えてください」
「○○株式会社の強みは?」
「○○株式会社はどんな人に向いている会社ですか?」
「○○株式会社に入社したら、どんなキャリアを歩めますか?」
「○○県でおすすめの○○業界の企業は?」
と質問してみてください。
そして、出てきた回答を採用担当者や経営者が読んでみます。
「これは、自社が求職者に伝えたい会社像になっているだろうか?」
さらに一歩踏み込んで、
「この回答は、求職者が本当に知りたいことに答えているだろうか?」
という視点で確認することが重要です。
採用サイトを「企業が伝えたい情報」から「求職者が知りたい情報」へ
就職活動でAIを利用したことがある学生が約85%に達する現在、採用担当者が確認すべき場所は、求人媒体やGoogle検索だけではなくなりつつあります。
ChatGPTやGeminiなどの生成AIが、
自社をどのように理解しているのか。
競合と比較したとき、どのような会社として説明するのか。
求職者から「5年後のキャリア」を聞かれたとき、答えられる情報が自社サイトにあるのか。
こうした視点が、これからの採用広報では重要になってくるでしょう。
そして何より大切なのは、
企業が伝えたい情報を一方的に増やすのではなく、求職者が知りたいことから採用情報を設計することです。
求職者が知りたいのは、先輩社員の「今」だけではありません。
この会社に入った3年後、5年後、10年後の自分です。
そこまで伝えられる採用サイトであれば、生成AIにも求職者にも、その会社で働く意味をより理解してもらいやすくなります。
アドメディカルではLLMO・GEO・AIO対策を支援しています
株式会社アドメディカルでは、ChatGPTやGemini、GoogleのAI OverviewsなどのAI検索において、企業の事業内容、サービス、専門性などが正しく理解されやすいWebサイトづくりを支援しています。
サイト内コンテンツの整理・リライト、FAQ、構造化データ、内部リンク、会社情報・サービス情報の整理などを組み合わせ、Webサイトの状況や業種に応じたLLMO・GEO・AIO対策をご提案しています。
採用分野でも、単に「AIに会社名を表示させる」だけではなく、求職者が知りたい情報と企業が発信している情報にズレがないかを確認し、AIにも人にも理解されやすい情報設計へ見直すことが重要です。
「ChatGPTで自社について調べると、どのように説明されるのか」
「自社の採用ページに、求職者が本当に知りたい情報がそろっているのか」
「AI検索を意識して企業情報・採用情報を見直したい」
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参考・出典
- 株式会社マイナビ「2027年卒 大学生キャリア意向調査4月<就活生のAI利用について>」2026年5月26日
- 株式会社マイナビ「2027年卒 企業新卒採用活動調査」2026年7月22日
- ナイル株式会社「就職活動における生成AI活用実態調査」2026年4月28日
- 株式会社アドメディカル「LLMO対策・GEO対策・AIO対策」
株式会社アドメディカル代表。大学卒業後、大手予備校に就職。学生募集に携わる。特にデジタル領域に力を注ぎ、 ホームーページの SEO・MEO対策・LLMO対策、 インターネット広告、コンテンツマーケティングを中心に売上拡大。少子化が進む 教育業界で毎年120%売上を伸ばす。独立後は、予備校時代のノウハウと人脈を生かし、富裕層向けの広告プランニング、 SEO・MEO・LLMO・インターネット広告のインハウス(内製)化のサポートを中心に事業展開。一般社団法人AI・IoT普及推進協会マスターコンサルタント。










