なぜ自院はChatGPT・Geminiに出てこない?AIに紹介されないクリニックの7つの原因
「ChatGPTに近くのクリニックを聞いてみたら、競合医院は出てくるのに自院は紹介されなかった」
「Geminiで自院の診療分野について質問しても、別のクリニックばかり紹介される」
このような経験はないでしょうか。
Google検索ではある程度上位に表示されている。
Googleマップにも登録している。
ホームページもある。
それなのに、ChatGPTやGeminiなどの生成AIでは自院がほとんど言及されない。
その場合、
「構造化データを入れていないから?」
「ホームページが古いから?」
「HTTPSではないから?」
と、一つの原因を探したくなるかもしれません。
しかし、AI検索で自院が紹介されるかどうかは、一つの設定だけで決まるものではありません。
重要なのは、AIが自院を発見できるか、AIが自院について十分に理解できるか
そして、
患者の質問と自院の特徴を結び付けられるだけの情報がWeb上に存在するか
という点です。
本記事では、ChatGPTやGeminiなどで自院が紹介されにくいクリニックに見られる7つの原因を解説します。
「構造化データがないから出ない」という単純な話ではない

最初に押さえておきたいのが、
「これがないからAIには絶対に紹介されない」という条件は、それほど多くない
ということです。
例えば、
- 構造化データがない
- FAQページがない
- llms.txtを設置していない
- HTTPのホームページである
といった理由だけで、ChatGPTやGeminiがそのクリニックを一切言及しなくなるわけではありません。
反対に、
- 構造化データを入れた
- FAQを作った
- llms.txtを設置した
からといって、AIからの紹介が保証されるわけでもありません。
構造化データは、検索エンジンなどがページの意味を理解するための手がかりになりますが、ホームページに存在しない診療情報や医院の特徴を新たに作り出すものではありません。
Googleも構造化データを「ページの意味について明示的な手がかりを与える」仕組みとして説明しています。
そのため、LLMO対策では個別のテクニックを見る前に、
現在のホームページがAIに何を伝えられているのか、を確認する必要があります。
原因1 AIが自院のホームページを取得しにくい
まず確認したいのが、AIがホームページの情報へアクセスできる状態になっているかです。
例えばChatGPT検索では、OpenAIが「OAI-SearchBot」という検索用クローラーを使用しています。
OpenAIは公式資料で、OAI-SearchBotを拒否したサイトはChatGPT検索の回答に表示されないと説明しています。
つまり、
- robots.txtでAIクローラーを拒否している
- セキュリティ設定でクローラーがアクセスできない
- ページそのものが正常に取得できない
といった状態では、自院の公式ホームページをAIが情報源として利用しにくくなります。
ただし、ここにも注意が必要です。
自院ホームページがクロールされない=医院名そのものが絶対にAIに出ない
という意味ではありません。
医療ポータルサイト、自治体サイト、Google上の情報、第三者サイトなどから医院情報を取得し、AIが医院名を言及する可能性はあります。
そのため、LLMOではまず、
「自院の一次情報をAIが取得できる状態になっているか」
を確認することが重要です。
原因2 自院独自のホームページがない
クリニックの中には、独自ドメインのホームページを持たず、
- 医療ポータルサイト
- 医師紹介サイト
- 医療機関検索サイト
などに掲載されている自院ページを「ホームページ」として案内しているケースがあります。
こうした医療ポータルへの掲載自体が悪いわけではありません。
第三者サイトに医院情報が掲載されていることは、AIがその医院について知るための情報源にもなります。
問題は、
自院自身が自由に一次情報を発信できる場所がないこと
です。
例えば、
「健康診断で血圧が高いと言われた患者にも対応しています」
「動悸・息切れ・胸の違和感について相談できます」
「糖尿病、高血圧、脂質異常症など生活習慣病を継続的に診療しています」
といった情報をAIに伝えたいと思っても、外部ポータルでは自由にページを増やせないことがあります。
さらに、
- 症状別ページ
- 疾患別ページ
- FAQ
- 医師の詳しい専門情報
- 独自の記事
- 構造化データ
などを自院の方針に合わせて増やしていくことも難しくなります。
AI検索を考えるのであれば、
「Web上に医院情報がある」ことと、「自院が情報発信をコントロールできる」ことは別
と考える必要があります。
原因3 ホームページはあるが、自由に情報を増やせない
医療機関向けホームページでは、あらかじめ用意されたフォーマットに医院情報を入力して作成するテンプレート型サービスもよく利用されています。
テンプレート型のホームページだからAIに紹介されない、というわけではありません。
医院名、所在地、診療科、診療時間などが掲載されていれば、AIが医院について理解する材料になります。
問題になるのは、
LLMO対策のために情報を追加したくても、サイトの仕様上できない場合です。
例えば、
- 新しい診療ページを自由に追加できない
- 症状別ページを作れない
- FAQを十分に追加できない
- 院長プロフィールを充実させられない
- titleや見出しを自由に変更できない
- 内部リンクを設計できない
- HTMLを編集できない
- 構造化データを追加・変更できない
といった制限です。
LLMOでは、AIに理解してほしい内容に合わせてWeb上の情報を増やしていく必要があります。
そのため、
「ホームページがあるかどうか」ではなく、「目的に合わせて情報を追加・改善できるホームページか」
という視点が重要になります。
原因4 診療科目しか書かれておらず、「何を相談できる医院なのか」が分からない
多くのクリニックホームページには、
「内科」
「循環器内科」
「小児科」
「皮膚科」
といった診療科目は掲載されています。
しかし、AI検索を考えると、それだけでは十分とはいえません。
例えば患者はChatGPTに、
「健康診断で血圧が高いと言われました。どこに相談すればいいですか?」
と質問するかもしれません。
そのとき、
「内科・循環器内科」
としか記載されていないホームページと、
「高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病や、動悸・息切れなど循環器に関する症状を診療しています」
と書かれているホームページでは、AIが利用できる情報量が違います。
重要なのは診療科名ではなく、
「どのような症状や悩みを抱える患者が相談できる医院なのか」
までWeb上で説明できていることです。
原因5 患者がAIに聞きそうな質問への回答がない
Google検索では、
「名古屋 内科」
「名古屋 循環器内科」
のように、比較的短いキーワードで検索するケースが一般的でした。
一方、ChatGPTやGeminiでは、患者がそのまま文章で質問できます。
例えば、
「健康診断で血糖値が高いと言われました。すぐ受診した方がいいですか?」
「咳が長引いています。内科と呼吸器内科のどちらに行けばいいですか?」
「高血圧は症状がなくても治療する必要がありますか?」
「子どもと大人を同じクリニックで診てもらえますか?」
といった質問です。
こうした質問について、公式ホームページ上にほとんど情報がなければ、AIが回答候補と医院を結び付けるための材料も少なくなります。
そこで重要になるのが、
- よくある質問
- 診療内容
- 症状解説
- 疾患解説
- 検査内容
- 医師による記事
です。
ただし、
「AI対策だからFAQを50個作ればいい」
という話でもありません。
どんな質問に答えるべきかは、医院によって異なります。
その医院が実際に診療している内容と、患者が知りたい情報を結び付けて設計することが重要です。
原因6 Googleや外部サイトを含め、Web上の医院情報が十分に整理されていない
AIは必ずしも公式ホームページだけを見て回答するわけではありません。
そのため、
- 公式ホームページ
- Googleビジネスプロフィール
- 医療ポータルサイト
- 医師情報
- 外部サイト
- Web上の記事
などに掲載されている医院情報についても意識する必要があります。
例えば、
公式サイトでは「循環器内科」
Googleでは「内科」
ポータルサイトでは情報が古い
院長情報も媒体によって違う
という状態では、Web上で医院像が統一されません。
Googleもローカル検索について、ビジネス情報を正確かつ充実させることが重要であり、ローカル検索結果は主に「関連性・距離・知名度」に基づいていると説明しています。
これはGoogleのローカル検索についての説明ですが、LLMOを考えるうえでも、
Web上で医院について一貫した情報が存在しているか
は確認しておきたいポイントです。
原因7 そもそも「AIにどう認識されたいのか」が決まっていない
そして、最も重要なのがこの問題です。
多くのクリニックでは、
「ホームページを作ること」そのものが目的になってしまっています。
開院するときにホームページを作り、
その後は、
- 診療時間の変更
- 休診のお知らせ
- 年末年始のお知らせ
などを更新するだけ。
医院がWeb上で、
「誰に、何を伝えたいのか」
まで考えて運用されていないケースは珍しくありません。
従来のクリニックSEOでは、それでも一定の対策ができました。
クリニックは商圏が限定されるローカルビジネスなので、
「名古屋市+内科」
「中村区+皮膚科」
「○○駅+整形外科」
といった検索キーワードを想定しやすかったためです。
そのため、ホームページ制作会社でも、
- titleに地域名と診療科名を入れる
- 診療科ページを作る
- Googleビジネスプロフィールを整える
といったSEO・MEO対策を比較的行いやすい分野でした。
しかし、生成AIでは検索行動が変わります。
患者は、
「近くで高血圧をしっかり診てもらえるクリニックは?」
「仕事帰りに通えて生活習慣病を相談できる医院は?」
「子どもの咳が続いています。近くで相談できる医院は?」
といった質問をします。
つまり、LLMO対策では、
「地域名+診療科名で上位表示する」だけでは目標を設計できません。
最初に考えなければならないのは、
「AIにどのような質問をされたとき、自院をどのような医院として認識してほしいのか」
です。
LLMO対策は「何を実装するか」から始めてはいけない
LLMO対策というと、
「構造化データを入れる」
「FAQを増やす」
「llms.txtを設置する」
といった技術的な施策に目が向きがちです。
しかし、これらはすべて手段です。
先に、
自院はAI検索上でどのような存在になりたいのか
を決めなければ、施策の方向性を決めることができません。
例えば同じ内科でも、
「地域のかかりつけ医として認識してほしい」
「生活習慣病を相談できる医院として認識してほしい」
「循環器を専門的に相談できるクリニックとして認識してほしい」
では、必要になるページもFAQも医師情報も変わります。
つまり、
LLMO対策はホームページ制作だけの問題ではありません。
患者ニーズ、競合医院、医院の特徴、診療内容、検索行動などを考えながら、
AI上での「自院のあるべき姿」を設計するWebマーケティング
が必要になります。
自院がAIに紹介されにくい状態になっていないかチェック
一度、現在のホームページを次の項目で確認してみてください。
□ ChatGPTやGeminiで自院がどのように表示されるか調べたことがない
□ 自院独自のホームページを持っていない
□ 医療ポータルサイトの掲載ページをホームページ代わりにしている
□ テンプレート型サイトで自由にページを追加できない
□ ホームページを何年もほとんど更新していない
□ 診療科目は書いてあるが、具体的な症状・疾患情報が少ない
□ 患者からよく聞かれる質問を掲載していない
□ 院長の専門分野や経歴について十分な情報がない
□ Googleビジネスプロフィールと公式サイトの情報を整理していない
□ AIクローラーがサイトへアクセスできるか確認したことがない
□ 構造化データが適切に設定されているか分からない
□ 「どんな質問で自院をAIに紹介してほしいか」を決めていない
複数当てはまった場合、
単に構造化データを追加したりFAQを増やしたりする前に、
現在のWeb運用そのものを整理する必要があるかもしれません。
では、クリニックはどのようにLLMO対策を進めればいいのか?
ここまで、
「なぜChatGPTやGeminiが自院を紹介してくれないのか」
という原因を中心に解説してきました。
では実際に、
- どんな質問を設定するのか
- どんなページを作るのか
- FAQをどう設計するのか
- 構造化データをどう利用するのか
- Googleビジネスプロフィールをどう考えるのか
- AI検索での表示状況をどう確認するのか
については、別の記事で詳しく解説しています。
▶ クリニックLLMO対策とは?AI検索で指名される医院になるための考え方と対策
「原因を知りたい方」は本記事を、
「具体的に何をすればいいのか知りたい方」は上記の記事を参考にしてください。
LLMO対策は、まず「AIにどう認識されたいか」を決めるところから
クリニックのLLMO対策で重要なのは、
「ChatGPTに出るテクニック」を探すことではありません。
まず、
「どんな患者に来てもらいたいのか」
「どんな診療について相談してほしいのか」
「どのような質問をされたときに自院を候補として認識してほしいのか」
を明確にすることです。
その目標が決まって初めて、
- ホームページ
- 診療ページ
- FAQ
- 医師情報
- Googleビジネスプロフィール
- 構造化データ
- 外部サイト
- コンテンツ
をどう整備するべきかが見えてきます。
従来のSEOでは「地域名+診療科名」という比較的明確な目標を設定できました。
しかし、患者がAIに直接相談する時代には、
ホームページを「作って終わり」にするのではなく、医院の意思を持ってWeb上の情報を設計・運用すること
がこれまで以上に重要になります。
自院がChatGPT・Geminiに紹介されない理由を調べてみませんか?
株式会社アドメディカルでは、クリニックを対象としたLLMO・AI検索対策を支援しています。
私たちが最初に確認するのは、
「構造化データが入っているか」
だけではありません。
まず、
「AIにどのような医院として認識されたいのか」
という目標を整理します。
そのうえで、
- ChatGPT・Geminiなどでの現在の表示状況
- 競合クリニックの表示状況
- ホームページの情報量
- 診療内容
- FAQ
- 医師情報
- Googleビジネスプロフィール
- AIクローラーへの対応
- 構造化データ
- サイトの更新自由度
などを確認し、現在のホームページで何ができるのかを整理します。
場合によっては、
「現在のサイトを活用したまま対策できる」
ケースもあれば、
「テンプレートサイトの仕様上、できることに限界がある」
ケースもあります。
大切なのは、最初から特定の施策を実施することではなく、
目標と現状の差を把握してから必要な対策を決めることです。
「ChatGPTで自院が出てこない」
「競合クリニックばかり紹介される」
「現在のホームページでLLMO対策ができるのか知りたい」
「サイトを作り直す必要があるのか判断したい」
というクリニック様は、株式会社アドメディカルまでお気軽にご相談ください。
ホームページ制作ありきではなく、AI検索時代における自院の「あるべき姿」から一緒に考えます。

株式会社アドメディカル代表。大学卒業後、大手予備校に就職。学生募集に携わる。特にデジタル領域に力を注ぎ、 ホームーページの SEO・MEO対策・LLMO対策、インターネット広告、コンテンツマーケティングを中心に売上拡大。少子化が進む 教育業界で毎年120%売上を伸ばす。独立後は、予備校時代のノウハウと人脈を生かし、富裕層向けの広告プランニング、 SEO・MEO・LLMO・インターネット広告のインハウス(内製)化のサポートを中心に事業展開。一般社団法人AI・IoT普及推進協会マスターコンサルタント。
参考資料
- OpenAI「Overview of OpenAI Crawlers」
ChatGPT検索でWebサイトを検索結果として表示するためのOAI-SearchBotについて説明されています。 - Google検索セントラル「Introduction to structured data markup in Google Search」
構造化データは、Googleがページの意味を理解するための明示的な手がかりとして利用されています。 - Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」
Googleのローカル検索結果は、主に「関連性・距離・知名度」に基づくと説明されています。










